質問の意図のレイヤーの話

昨日書いた記事について配偶者と話している時に、引用した記事中のこの箇所について話をすることがありました。

 

不思議そうにする彼に、最後の問題を投げかける。

 

「この問題、答えてみてくれない?」

 

ある男の子は、明日が友達の誕生日だということに気づきました。

そこで彼は財布の中を確認しました。

けれども、お金が足りなかったので親にお小遣いをもらいにいきました。

彼はお小遣いをもらった後、急いで買い物にでかけました。

彼は何を買いにいったでしょう?

答えは勿論、「友人のプレゼント」だ。

 

この問題は、質問中の「彼」の気持ちを想像し、シンプルに考えれば、簡単に答えられるようになっている。

だけど彼は「こんな問題、分かるはずがない。意味が分からない」と言って30分ほど悩んだあと、真面目な顔で、「時計」と答えた。

アスペルガー症候群の彼を、殺そうとした私 | peek a boo - ピークアブー

 

私は「いちおう」答えられる側です。

ただし、人との会話の中でこういった質問をされて、答えられないケースがたびたびあります。その時の思考はどのようなものか?ざっと挙げるとこのようになります。

 

・「彼」は友達の誕生日プレゼントに「何を」買いに行ったのだろう?

・予算はいくらくらいだろう?それによって買うものは変わるしなぁ。

・どこの店に買いに行ったのだろう?店によっては売っていないものもある。

・そもそもプレゼントではなく誕生パーティーに飾る花かもしれない

・となるとケーキとかを買いに行く可能性もあるな

・「彼の友達」の嗜好はどのようなものだろう?何をあげれば喜ぶのか?

・「彼の友達」は何歳のどういう属性の人なんだろう?男性?女性?LGBT? 

 

前提条件が全く無いので「彼」が男性と思われることと、お小遣いを貰う立場であるので「彼」が若いことくらいしか想定できません。「彼」の気持ちを考えてシンプルに考える、となると、上に挙げた3つくらいで「わからない」となります。

で、こういった質問をされた時に例えばこんな質問をします。

・買うものの予算は?

・「彼」と「彼の友人」の関係性は?

・「彼の友人」はなにか特別な趣味を持ってる?

 

こう聞くと、一般的な方は「なんでそんな質問するの?」と言います。 

明らかに認識に齟齬が発生している状態です。でも、会話の渦中にいる二人にはその齟齬が解らない、なのでこじれていく。 

これはテストだからまだ良いのですが、日常の会話で頻繁に行われることで「アイツは話が通じないやつだ」という評価が出来上がります。ただ前提が共有できていないだけなのに。

 

ちなみにそんなことを考えながらはてなブログのトップを見てましたらこんな記事を見つけました。

blog.lalamiamor.net

 

 さて、私が精神科医や心理士をイラつかせるもう一つの理由に、質問に対して質問で返すからというのが考えられる。精神科医や心理士は質問によって相手の考えや気持ちを引き出すわけだが、私はその質問の意図が分からないと答えられないという習性がある。例えば、「最近の調子はどうですか?」と精神科医が聞くと普通の人は、その時に一番気になっていることを真っ先に話し始めるから、「ああ、これがこの患者にとって現在、第一優先の事柄なのだろう」と推測できるといったような事なのだろう。

 だが、私は「最近の調子はどうですか?」と聞かれると、「調子というと、体ですか?心理面ですか?精神面ですか?それとも、前回と比べてどうかと言うことですか?」と質問で返してしまうのだ。

 「じゃあ、体調はどうですか?」と聞かれたとすると、「うーん、それは精神科と直接関係のありそうな症状だけを話したほうがいいのですか?それとも今、痛みや苦しさがある症状全てを話したほうがいいのですか?」とまた、質問を返してしまい、結局、私の答えを引き出すまでにメチャ時間がかかってしまうのだ。

 最終的にイラッとした先生が「結局、あなたはどうしたいのですか?」と言ってきて、よせばいいのに私は「最終的にどうしたいという目標がないとダメな感じですか?」と聞いてしまう始末。ほんと、どうしようもない。いや、後から思い出したら、そう言ってしまっていたというお話で、その時は本当に分からないから教えてほしいだけで、教えてほしい気持ちを自分で制御できないのよ。ほんとに。

精神科医や心理士をイラつかせるほどの無神経さ - 女だから言えること | 引きこもり、精神病からの生還

うわぁ俺だ。

いやホント読んでて自分かと思ったよ。自分の行動の反省につながるからこういう記事は積極的に見つけに行ったほうが良いね…

 

で。タイトルの「質問の意図のレイヤー」についてなんですが。

最初に引用したアスペルガーのテストも、今引用した記事も、すごいフワッとした内容をしているという共通点があります。最初に大きめの質問をしておいて、深掘りしていくということですね。

それがピンと来ない。

配偶者との話では「思考のレイヤーがいきなり深いところに行きすぎる」という指摘を受けました。おそらくそうなんでしょうね。全体を見ることができず具体的な箇所しか目にいかないために「買うものの具体例」を挙げようとしたり、「どの調子ですか?」と質問攻めにしてしまうことになります。

 

あぁ、合点がいった。

しかし私が合点がいくこの2つの記事、一般的な認識を持つ人達からするとどういう風に見えるんだろうなぁ。それが気になる。

正直なところ私は一般的な認識を知りそれに近付こうともがいている最中なので、まずは一般的なものがどういうものなのか、ということを知らねばならないです。これが直近の課題ですね。