「秋葉原は終わった論」って年に数回は出るよね。もちろんそんなことは無いと思うけど。
Twitter見てたらこの記事が目に止まって、さすがに思うところがあったのでまんまと釣られることにした。ちなみに私は去年まで秋葉原の某PCショップで働いてました。勤務歴も12年くらいあったので、こういうことを言ってもそろそろ許されるはず。
年に数回こんな感じでアキバは終った論が繰り広げられるので、いい加減うんざりしてたりします。ちなみに秋葉原という街自体は時代によって移り変わりが激しいだけなので、単なるこのひとにとってのノットフォーミー状態になっただけだと思います。
つまり「アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか」という問いに対しての解は「他でもないお前だよ馬鹿野郎」です。はい。
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そもそも「本当のオタク」って何やねん!という話ですからね。「メガネの兄貴が手ほどきくれるぜ小学生さえ射程距離」ですかね。わからんけど。
しかし、今の秋葉原の実態は観光客向けの形骸化した萌えとインバウンドの街であり、オタクの街ではない。それが秋葉原に10年以上通う私の意見だ。
この手の話で10年以上を主張する人の経歴ってほぼピッタリ10年だったりするんですが、2008年って涼宮ハルヒですらちょっと前のアニメ扱いされてニコニコ動画が盛り上がり、初音ミクさんも全力でネギ振り続けてちょっと疲れてきた時期だぞ。
いまのスマートフォンの原型であるところのiPhone 3Gが2008年7月発売なのでちょうどこのあたりですね。本格的に普及したのは3GSからなので、スマホ界隈のイノベーターであるなら辻褄は合う。
ちなみに「昔のアキバ」を引き合いに出すネタとしてこんな感じのことを挙げてるんですが違和感しか無いですね。
現在ではPCパーツや電化製品はECサイトの価格競争により、秋葉原で買ったほうが安いという状況はほぼなくなり、すぐに欲しいという状況以外では秋葉原で買う理由を見出せない。もちろんセールで最安値になることもあるが、かつてのように、フラッと訪れても得な買い物はできない。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) | プレジデントオンライン
10年前なら既にPCパーツすら「アキバが一番安いから買う」という状態から脱してます。PCサクセスが潰れたのが2007年でしたっけ?その時点でネットの価格競争はクソほど激化してるんですよ。
※ちなみにこれは「ソースは俺」案件ですが、私自身PCショップの通販部門に10年ほど居たので、認識は間違っていないはず。
中古スマートフォン販売店で某社のスマホを買おうとした私に対し「カタログ上の数値は優秀だけど、すぐに熱暴走するので使い勝手は悪いです。やめたほうがいい」と商売っ気のない、それでいてここ以外のどこでも聞けない、ありがたいアドバイスをしてくれたことは、今でもはっきり思い出せる。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) | プレジデントオンライン
えぇ…その程度でアキバの店員持ち上げるんですか。随分安っすいアドバイスをありがたがるんですねぇ。
そもそもアキバの店員の話でスマホ持ち出す時点で昔のアキバを語れてないし、むしろスマホなら「熱暴走するけどこういう使い方をすれば神」という話くらいは出してほしいところです。つーかREGZA Phoneなんて中古で買うなよ馬鹿(激しい決めつけ)
ちなみに熱暴走するスマホの中古を買えるくらいの時期って少なくとも2010年過ぎてからだと思うんですがその頃には外国人観光客も定着してるはずなんですがねぇ。この人は何を見ていたんだろう…
そして映画「電車男」のブーム後、秋葉原という街にスポットライトが当たるにつれ、秋葉原の魅力でもあったグレーゾーンは「内輪同士で秘めるもの」から「その存在を拡散するもの」に変わり、縮小の一途を辿った。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) (2/3) | プレジデントオンライン
電車男ですら2005年ですでに10年以上経過してるんだけどなぁ。
下手すりゃこのライターがアキバ通うより前じゃね?
というか、確かに電車男の上映前後でアキバの雰囲気が変わったというのは否定まではしないんだけどさ。AKBもそうだしドン・キホーテもそうだしUDXが出来たりPCサクセスが倒産したりそういった諸々の事情をまるっと無視して電車男をスケープゴートにする流れ、いい加減飽きたし思考停止でしかない。
ちなみに2000年台中盤からの秋葉原における環境変化要因、下調べもせずパッと思いついただけでこんだけあるぞ。
- 電車男などメディア露出拡大
- AKB48などアイドル文化の大型化
- ヨドバシアキバ、ドン・キホーテなど大型チェーン店の流入
- ダイビル、UDX等の秋葉原駅前再開発によるビジネス街化
- ネット環境の発展によるオタクコンテンツの一般化(含YouTube、ニコニコ
- ネット通販の先鋭化による店舗ビジネスの弱体化
- 訪日インバウンドビジネスの拡大
- LAOX、サトームセン、オノデン等家電量販の縮小、業態変更、撤退
- メイドカフェ文化の発展
記事で触れてるのって電車男、AKB、ネット通販、メイドカフェ、インバウンドくらいですね。狭い。秋葉原通い始めたのが2005年の私も大概狭いし最近のことしか知らないが、それでもこの記事で触れている範囲はとても狭い…
萌えの形骸化も深刻だ。メイドやAKB48を秋葉原で見ることについては、拒否反応を起こすオタクが多かったと思うが、私自身は嫌いではなかった。内向的なオタクにとって「ただ、自分の中で消化する」というコンテンツは、相性が悪くないように思えたし、萌えに秋葉原はうまく順応できた。
メイドカフェはともかくAKBって萌えの範疇でしたっけ(白目
いやまあ人が何に萌えるかは知ったこっちゃないんで良いんですが、なんというか、私の認識としては「キャラ愛の形骸化したものが萌え」だと思ってるんで、「萌えの形骸化」って言われても「お、おう…」としか返せません。
あとはAKBの嫌悪感って秋葉原の現地オタクじゃなくむしろネットオタクの方が持ってたので、拒否反応ってあーた何処の秋葉原の話ですか、って感じ。
メイドカフェが流行り始めた当初は、働く女性のプロ意識がいい意味で低く、メイドという設定と女性の性格が起こす化学反応が面白かった。文化祭のようにチープな店内で、メイドカフェとは何なのかを自分なりに解釈する。客の想像力に委ねられた世界は、他のどこでも味わい難いものであったように思う。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) (2/3) | プレジデントオンライン
キュアメイドカフェ行ったこと無いんですかねこの野郎は?
というかこの書き方ってメイドカフェ通ってる人間をクッソ見下してますねこいつ。よくそんなんで萌えの形骸化とか言えますね。素晴らしい。
あとはここの引用部分、メイド側の視点と客の視点がゴチャゴチャで何が言いたいのかさっぱりわかんねぇ。
しかし、メイドカフェに外国語のメニューが置かれ、トリップアドバイザーに登録されるころには、大資本が経営するメイドカフェが乱立していた。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) (2/3) | プレジデントオンライン
メイドカフェの元祖と言われるキュアメイドカフェの運営会社調べてきたらいいと思うよ。というかどこの業界でも弱小は淘汰されるのは世の常なんですが。その中でも需要のある店はメイリッシュやシャッツキステみたいに存続してますしね。
インバウンドの流行も、街を変化させた。駅前の家電量販店では中国語の話せるスタッフが店内を巡回し、駅前のレンタルショーケースには外国人観光客が買うことを期待しているのか、市場価格より数倍高いアニメのフィギュアが並ぶ。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) (3/3) | プレジデントオンライン
今でこそ緩和された感はありますが数年前までフィギュアって需要と供給成り立って無くて即完売即プレミア化だったんですよね。市場価格より数倍高いってそれプレミア化したやつじゃないんですかね。外国人向けという記述はミスリードですわな。
でもホビー天国あたりのレンタルショーケースって意外と外国人多いんですよね。エレベーターで中国人の団体と一緒になったことあるわ。需要はあるかもしれないというのはまあ、可能性の否定までは出来ないかもなぁ。
この街を、意思を持った1つの生命体として捉えたとき、街が進化しようとする方向性に我々オタクが組み込まれていなかったようだ。私にとってはつまらない街でも、ほかの誰かにとって楽しい街であれば、それは秋葉原が誰かに求められていることにほかならない。秋葉原を訪れるたびに寂しい気持ちに襲われようと、私はこの街の行方を最後まで見届けたい。
引用:アキバを"退屈な街"に変えた犯人はだれか (山野 祐介) (3/3) | プレジデントオンライン
「我々」って言ったり「私」って言ったりこの記事の主語はどっち視点やねんという感じ。
というか「我々オタク」って言うけれどもそもそもオタクは「オタク」って存在で一枚岩なわけじゃないからな。単なる同好の士ってくらいの意味合いで、何を同好するかによって性質が180度変わるのも珍しくないだろう。
なのでこの記事自体を「私」という主語に変えて見てみるとあら不思議スッゲェ辻褄合うんですよね。一気に内容は「ふーん、で?」になるけど。
というわけで、単なる主語のでかい個人のつぶやきレベルの話でしたよねーってことで。
ただここで終わるのもなんとなく消化不良っぽいのでもうちょっと書くんだけど、「ムカシノアキバガー」って言う割にパソコン関連に一切触れず先日やったGeForce新モデルの深夜販売なんかも完全スルーだし(まあ盛り上がったかと言われるとちょっとアレだけどもさ)、電子部品の店が裏通りに並んでいることもにも触れていないし、メイドカフェも萌えキュン系しか見えてないしレンタルショーケースの話をするなら同人AVにも触れなくてはいけない触れなくていいです。
そしてここまで書いて一つの可能性に気づいたよ。
こいつ…中央通りしか行ってないな?
なんかこれが正解な気がしてきた。
というか再三言うけど秋葉原の街の進化についていけないオタクって、いったい何のオタクなんでしょうねぇ?ホント理解に苦しむわ。
といういち個人の感想でしたっと。